初めての日

ここが私の職場「デイケアハウスにぎやか」、そして最近導入された送迎用の車「セレナ」。
車に入っているロゴマークがにぎやかのシンボルです。

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今日は初めて利用する方が来られるため、ちょっとおしゃれしてお迎えに。
その方、富山県内の美容業界では知る人ぞ知る社長さん。
年齢とともに体が不自由になり、介護が必要になったんだけど、
やはり社長としてのプライドもあり、「デイサービスなんて行かん」の一点張りだったのが、
なんと今日、やっと「デイサービス」に来てくれることに。
だから、なんだか私も昨日からワクワク、ドキドキ。

なかなか、デイサービスに行ってくれない人が、どうして、来てくれるようになったか?

この答えは私にもわからない。
でも、「どうして来て欲しいと思ったか?」と自分の気持ちに問うのが一番かな。
私は、どうしても来て欲しかった。
自宅で、訪問系のサービスだけを中心に、病人のような受身の生活に、生きがいも楽しみも、ときめきも見出せない。
どんどん衰えていく姿を見て、「私と出かけましょう!」と誘った。

「人生終わってないですよ。まだ生きてるんだから、生きてるかぎり楽しみましょう」と。
誠意をもって話をしました。

ケアマネとしての関わりで、これまでも何度か誘っていて「うん」と言わなかったのが、
この日は「わかった」とうなずいてくれました。

そして、
そう言った以上、今日は何が何でも、にぎやかで楽しんでいってもらわなくてはと、必死で頑張りました。

今日の社長は自宅に居る時と大違いで、べっ甲のめがねにロレックスの時計、イタリー製のシルクのシャツを着て、品格と知性漂わせる姿。車椅子に乗って、デイサービスに出かけるといっても、その威厳はそこなわれない。

にぎやかに着き、重度の障害者の人と一緒に過ごすこと。そのことで、「おれもこんな人たちと一緒か~」と思わないだろうか?と心配になったが、いやいや、温かいまなざしで、障害の経緯やその人物像に興味をもってくれました。

そしてお風呂。足を伸ばして目をつぶり、極楽顔。
風呂嫌いと聞いていたので、意外な姿。


その後、昼ごはんも食べて、「帰る」と言われるかと思いきや、
新聞を読んだり、雑談をして、私の方から「帰りましょうか?」と声をかけるまでくつろいでもらえました。

今日新に迎えた出会いに、にぎやかスタッフも良い緊張感を感じ、自分たちの仕事を見つめなおすいい機会になりました。
社長が一緒に声をあげて笑ってくれたその表情が、
私の今日の喜びになりました。

この仕事、やっぱりおもしろい。
by cherrypiepie | 2010-07-08 18:04 | にぎやか | Comments(0)