暴力行為のあと始末

血のつながりはなくとも

親子であり

運命共同体


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かっぱ庵に暮らす
あきちゃんは

菅のお母さんの息子ですが、

正確に言うと
菅のお父さんの連れ子


我が子でない
うしろめたさと

我が子でなくとも
家族である責任と愛憎。


そもそも
感受性豊かな菅のお母さん

あきちゃんへの憎さ、愛しさ
あふれる思いを
あきちゃんに抱きしめることで伝えていました。







実はこの数週間前に
あきちゃんが
かっぱ庵で一緒に暮らす他の利用者さんに
暴力行為があり、

責任者である私から
「かっぱ庵で暮らすことは難しい、主治医に精神科入院を指示された」と

言われていました。
これは事実ではなく
あきちゃんに反省してもらうための「ウソ」でした。




あきちゃんの
精神科入院うそ計画は約3週間続きました。



その間の
あきちゃんは自分は悪くない。
「あいつが悪いんだ!」と
周囲の環境と共に暮らすかっぱ庵の人たちへの不満を繰り返し

さらには
「阪井さんが嘘をついた」と
怒りの矛先が色々なところに飛び火したり


しかし
精神科に50年入院していた過去をもつ「あきちゃん」は
二度と精神科には行きたくないと

「謝る」というパフォーマンスに励んだり。

謝れば許してもらえると思ったら、
阪井は
許してくれないとわかると否や、

また責任転嫁を繰り返す。





私たちよりもずっと昔から「あきちゃん」を見てきた
お母さんは

手に余る
どうしようもない息子に
情けないやら、悔しいやらで苦しそうでした。





そして、いよいよ
明日入院予定日になったとき、

疲れ切った「あきちゃん」の姿がありました。

何を言っても
何をしても許してもらえない私と
伸びた髪の毛を切りに理容院へ。


一緒に昼食を食べて
会話はなく、ただ肩を並べ同じ空気を吸う距離に居ました。

ただ一緒にいるだけ。



そのうちに
あきちゃん
突如土下座して「ごめんなさい。もう二度としません」と深く頭を下げてきました。


苦しめたくて
この計画を続けていたわけではなく、
どこのタイミングで許せば良いかと
しびれを切らしていたので


このチャンスは絶対に逃がせません。


あきちゃんには
「阪井さんも、お母さんもかっぱ庵のみんな、あきちゃんと一緒におりたいがよ。」
「みんな仲良く一緒に暮らしたいがよ」

あきちゃんも
「僕も一緒におりたい」って。



「あきちゃん、ずっと一緒におろうね。楽しく暮らそうね」

 「あきちゃん、私たちをがっかりさせないでね。」





そして
菅のお母さんは
あきちゃんをしっかり抱きしめてくれました。


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今回の精神科入院うそ計画は

暴力行為をしたあきちゃんに対する罰や
見せしめではなく
あきちゃんに
大切のものに気づいてもらいたいと期待しての行為でしたが、

あきちゃんにとっては
紛れもなく「罰」であったろうと思います。




もちろん
今回のことで
あきちゃんが変わったとは思っていません。

でも
約3週間の間、
自分の人生を考え、
悩みに悩んで苦しんだ最後に

許しをもらい
お母さんに抱きしめてもらった「ぬくもり」は

あきちゃんの人生にとって
忘れることのできない
出来事になったと思います。



あきちゃん暴力事件後の精神科入院うそ計画を実行した私としては
大きな愛に包まれて終了することができ、
ホッと胸をなでおろした次第です。



















by cherrypiepie | 2023-03-04 16:31 | にぎやか | Comments(0)